震災の影響まで考えてなかった患者さんのナースコール

看護師として病棟勤務をしていれば、まず間違いなく誰でもナースコールに対応することになります。そのナースコールの内容も、患者さんによって実にいろいろとあるものです。緊急時だけでなく、こんなことで看護師を呼ぶの? という内容も珍しくありません。あなたは、いままでにどんなナースコールに対応しましたか。

同じ病院に勤続11年

30代の男性看護師です。総合病院に勤めて11年目、看護師の仕事を辞めたいと思うことは多々ありましたが、紆余曲折を経て現在も同じ病院で働いています。職場は、循環器内科の患者さんが入院してくる病棟で、対象となる疾患は心筋梗塞や狭心症、心不全、弁膜症を中心に既往歴も複雑多岐にわたっています。ナースコールに関しては、特に誰が取るとは決まってはいませんが、自分の担当チームや部屋のコールであれば、その部屋やチームを受け持っている看護師が取っています。

やはり食事内容は患者さんにとって重大な問題

2011年3月11日の、震災後のことです。東北地方で働いていたわけではありませんが、私たちの住む地域も震度5の揺れがありました。流通の問題からか物資が限られており、病院食にもその影響が出ていました。当時提供された病院食は、おにぎり1個とみそ汁ぐらいしかなく、配膳する私たちからしてもいかにも寂しいメニューでした。そんなごはんを提供されて驚いたのか、ある寝たきりの患者さんからあったナースコール。私たちの病棟はナースコールでやりとりをせず、うかがいますと一言告げてベッドサイドで話を聞くスタンスだったため、ベッドサイドで聞いた内容は「これだけ?もっとないの」というものでした。

納得できなくても納得するしかなかった患者さん

私はその場で、地震があったから病院としても出せる食糧に限りがあると説明しました。十分でないのはこちらもわかっています、しかし限られた量ですべての入院患者さんに提供するには、これが精一杯あることをわかってほしいというニュアンスの言葉かけをしたと思います。その患者さんは、納得できないような、でも納得するしかないような、なんともいえない表情でした。

夜勤帯はやはり緊急コール以外では呼ばないで

病院側の事情が患者さんには関係ないことは理解していますが、看護職は特に夜勤帯では限られた人数で多くの患者さんをみているので、配慮が必ずしも十分ではありません。患者さんそれぞれで言い分もあると思いますが、そのときそのときで重症な患者さんもいるので、重症な患者さんのところにはどうしても時間を割いて観察しなければ、命にかかわることがあります。やはり、急ぎでないナースコール、不要なナースコールは勘弁していただきたいと思ってしまいます。