患者さんは話し相手が欲しいときもナースコールをする
病棟や外来を周りながら勤続19年
新卒で今の病院に就職しずっと同じ病院にいます。病棟に9年半、外来に10年、勤続19年の40代女性看護師です。所属部署は、出産するまでは同じところでしたが、そのあとは2年半から3年ぐらいで病棟や外来を異動しています。現在は耳鼻科の外来にいます。子供が2人いるシングルマザーです。
アットホームで働きやすい職場
勤務先は地域に密着した小さな総合病院で、スタッフもやさしいですし、いい人ばかりです。ママ看護師が多いので、子供の具合が悪くて休みたいときなども、とても理解があります。お給料は安いですが、雰囲気もいいですし、働くママにはとても働きやすいところです。ナースコールについては、その日の人数によってリーダーが担当するときもありますが、ほとんどはメンバーの中でなんとなく決まります。2人が代表でPHSを持ってなるべく対応し、ダメなときはナースステーションのコールをとります。いつもナースステーションにいるクラークさんがとることも多いです。
悪阻や陣痛で何度もナースコール
産科病棟にいたときのことなのですが、重症悪阻で入院していた患者さんが個室に入っていました。家族のかたがいるときはあまりコールはないのですが、いなくなると何度もコールがありました。「お布団かけてください」「お水取ってください」「背中さすってください」など、ちょっとしたことでコールがありました。ほかにも、陣痛がきて苦しんでる患者さんで、家族が帰ってしまったあと、2分おきに陣痛がくるたびにコールする産婦さんもいました。
本当に頻繁にコールが来るときはそれなりの対応を
重症悪阻のかたは、その都度要求にこたえるしかありませんでした。家族の人がいてもコールがあるときは、家族のかたにも悪阻について話をしたり、気分転換が必要なことなどを説明したり、早く家に帰れるよう指導していきました。でもなかなか悪阻は良くならず、いつも個室はどんよりしてしまって……こちらもどんよりしてしまうので、担当にかかわらず2回対応したら別の人が対応するなどして、看護師の気分転換もしました。結局その患者さんは、悪阻が終わる18週ぐらいまで入院し、コールは最後までかわりませんでした。
緊急でなくてもナースコールは鳴る
産婦さんのときは夜中だったのですぐにコールを切り、1度はすぐに訪室ししばらく背中をさすったり、今どのくらいなのかを話ししたりと対応し、詰所に戻ってからはモニターを見ながら様子をみて、20分から30分おきに訪室しました。患者さんは痛いときや処置が必要なときもコールしてきますが、さみしくなったときや話をしたいときにもコールをしてきます。コールのあとすぐに行くとうれしそうですし、要件だけで開放してくれます。でもコールが鳴って、すぐに行けないことを伝えていても、遅くなると機嫌も悪くなるし、あれもこれもと要求が増えてきます。
それでもできる限りきちんと対応したい
夜中のコールや朝のラウンド時など、忙しいときになんでもないようなコールがくると、ハァーと力がぬけてしまいます。何度もただ押してしまう人などは、またかぁー……と、すぐには行かなくなったりします。でも自分に余裕があって忙しくないときは、どんなコールにも対応できます。いつも必ずとはなかなかできませんが、「あのとき行っておけばよかった」と後悔することのないように対応していきたいと、いつも思っています。